10月の鎌倉。
夏の厳しい暑さが少しずつ遠のき、街を歩くのが心地よい季節になりました。
日中は爽やかな風が吹き抜け、散歩にはちょうどよい気候です。
けれど、日差しの下を歩いていると、思いがけず暑さを感じることも。
街を行き交う人々に目を向けると、半袖のTシャツを着ている人もいれば、長袖のシャツやカットソーで重ね着をしている人もいます。
夏と秋の装いが入り混じる、季節の変わり目。
そんな10月のある日、環さんは鎌倉の古い建物を訪ねることにしました。
目的地は、長谷にある吉屋信子記念館と、雪ノ下にある旧川喜多邸別邸。
文学と建築に触れながら、秋の鎌倉をゆっくり歩いてみようと思っています。
10月の鎌倉の服装。季節の変わり目にちょうどいいもの
鎌倉駅の西口を出ると、爽やかな風が頬をなでました。
環さんが今日着ているのは、薄手のコットンシャツにゆったりとしたパンツ。足元は歩き慣れた革靴です。
バッグには、薄手のウールストールが入っています。
少し前まで、環さんがよく使っていたのはコットンのストールでした。
さらりとした肌触りで、汗ばむ季節にも使いやすく、日差しが気になるときにも重宝していました。
けれど、10月に入って朝夕の空気が少しずつ冷たくなると、今度はウールの柔らかな温もりが恋しくなります。
コットンとウール。
どちらも天然素材ですが、それぞれに違った良さがあります。
コットンは吸湿性があり、さらりとした肌触りが心地よい素材。
一方、ウールは繊維が空気を含みやすく、保温性に優れているのが特徴です。
薄手でも暖かく、軽いウールストールなら、首元に巻いても重たくなりにくく、持ち歩くときにもかさばりません。
「同じストールでも、季節によって心地よい素材が変わるのね」
環さんは、そんなことを考えながら歩いていました。
10月の鎌倉は、日なたと日陰、朝晩と日中で体感温度が変わる季節。
昼間は薄手のシャツ一枚で気持ちよく歩けても、朝早く出かけるときや、日が暮れてからの帰り道には、少し肌寒く感じることもあります。
そんなときに便利なのが、シャツとしても羽織ものとしても着られる薄手のオーバーシャツ。
一枚でさらりと着たり、前を開けて軽く羽織ったり。気温に合わせて着方を変えられるので、季節の変わり目に重宝します。
もう少し冷え込む日には、薄手のコートを一枚。
厚手の冬物を着るにはまだ早いけれど、朝晩の冷たい空気に備えて、軽いアウターがあると安心です。
その日の気温に合わせて重ね着を楽しむ。
そんな服装が、10月の鎌倉散歩にはちょうどよさそうです。
吉屋信子記念館。作家が愛した住まいを訪ねて
長谷の静かな住宅街にある、吉屋信子記念館。
作家・吉屋信子が晩年を過ごした住まいで、建築家・吉田五十八が設計した近代数寄屋建築としても知られています。
環さんは、以前からこの建物を一度ゆっくり見てみたいと思っていました。
長谷の道を歩いていると、日差しが思いのほか強く、少し汗ばむほど。
けれど、住宅街の細い道に入ると、建物の陰を抜ける風がひんやりと感じられます。
記念館では、落ち着いた佇まいの建物や、丁寧にしつらえられた室内に目を向けました。

華やかさを競うのではなく、住む人の暮らしに寄り添うような空間。
「暮らす場所にも、その人らしさが表れるのね」
環さんは、そんなことを考えました。

若い頃は、流行のものを手に入れることが楽しかったけれど、今は長く使えるものに惹かれます。
素材の良さや、丁寧なつくりにこだわった服。
身につけたときの心地よさはもちろん、何年経っても好きでいられることも、ものを選ぶ大切な理由になりました。
自分の好きなものに囲まれて暮らす。
(机の足は鎌倉彫り!)
そんな当たり前のようで、実は贅沢なことを、環さんは改めて感じていました。

旧川喜多邸別邸。時間が育てた美しさ
次に環さんが向かったのは、雪ノ下にある旧川喜多邸別邸。
かつて哲学者・和辻哲郎が暮らしていた江戸時代後期の民家を、映画文化の発展に尽くした川喜多長政・かしこ夫妻が移築した建物です。
海外から訪れる映画監督や俳優たちを迎える場所としても使われていました。
旧川喜多邸別邸では、太い梁や柱、土間のある昔ながらの日本家屋が迎えてくれました。
長い年月を経た木の色や、使い込まれた建具。
そこには、新しくつくられたものとは違う、時間を重ねた美しさがあります。
「古くなったからといって、魅力がなくなるわけではないのね」
環さんは、建物に残る木の表情を眺めながら思いました。
何度も履くうちに、自分の身体に馴染んでいくジーンズ。
使い続けることで、少しずつ風合いが変わっていく天然素材の服。
新品のときにはなかった魅力が、年月とともに生まれてくることもあります。
長く使うことは、単にものを大切にするだけではなく、自分だけの時間を重ねていくことなのかもしれません。
10月の鎌倉は、秋を急がない

ストレッチウールオーバーシャツ 千鳥格子
ウールショールルバン Gray
ウールナイロンリブヘムパンツ Black
旧川喜多邸別邸を出ると、午後の光が少しずつ傾き、街には夕方の涼しい風が吹き始めました。
環さんはバッグからウールストールを取り出し、首元に軽く巻きました。
ふんわりとしたウールの感触が、心地よく馴染みます。
昼間はシャツ一枚でも十分だったのに、夕方になると、もう一枚重ねたくなる。
そんな気温の変化にも、秋の深まりを感じます。
今日訪ねた二つの古い家。
そこには、長い年月を経ても変わらない美しさがありました。
新しいものには、新しいものの魅力がある。
けれど、時間を重ねることで、より好きになっていくものもあります。
季節の移ろいとともに、身につけるものも少しずつ変わっていく。
ついこの間まで心地よかったコットンのストールから、暖かさを感じるウールのストールへ。
いつもの服に、秋らしい素材をひとつ重ねるだけでも、季節を楽しむことができます。
秋だからといって、急いで冬の装いに変える必要はありません。
その日の気温や、自分が心地よいと感じるものを選びながら、少しずつ秋を迎えていく。
「今度は、もう少し秋が深まった頃に来ようかしら」
環さんはそう思いながら、駅へ向かって歩き始めました。
今日とはまた違う鎌倉の景色に出会えることを楽しみに。
10月の鎌倉散策 FAQ
Q. 10月の鎌倉は、どんな服装がおすすめですか?
10月の鎌倉は、日中は爽やかで過ごしやすい日が増える一方、日差しによっては暑さを感じることもあります。
薄手のシャツやブラウス、軽やかなパンツなど、動きやすく、気温に合わせて調整できる服装がおすすめです。
朝晩は肌寒くなることもあるため、シャツとしても羽織ものとしても着られるオーバーシャツや、薄手のコートがあると安心です。
Q. 10月の鎌倉散策には、コットンとウールのストールのどちらがおすすめですか?
日中の暖かさが残る日には、さらりとした肌触りのコットンストールが使いやすく、朝晩の冷え込みが気になる日には、保温性のあるウールストールがおすすめです。
特に薄手のウールストールは、軽くてかさばりにくく、バッグに入れて持ち歩きやすいのが魅力。
気温やその日の服装に合わせて、素材を使い分けるとよいでしょう。
Q. 10月の鎌倉では、どんな過ごし方が楽しめますか?
10月は、秋の風を感じながら街歩きを楽しむのに心地よい季節です。
寺社巡りだけでなく、歴史ある建築を訪ねたり、文学や映画に触れたりする文化散策もおすすめです。
吉屋信子記念館や旧川喜多邸別邸など、普段は公開日が限られている建物を訪ねるのも、秋の鎌倉ならではの楽しみ方。
紅葉の見頃を迎える前の、まだ緑が残る街並みをゆっくり歩いてみるのもよいでしょう。
本日訪れた場所
長谷の静かな住宅街に佇む、作家・吉屋信子が晩年を過ごした住まい。
建築家・吉田五十八が設計した近代数寄屋建築で、作家の暮らしや美意識を感じられる場所です。
2026年秋の一般公開
- 公開日:10月1日~3日、11月1日~3日、および10月・11月の毎週土曜日・日曜日
- 開館時間:10:00~16:00
- 最終入館:15:45
- 入館料:無料
- 所在地:鎌倉市長谷1丁目3-6
- 注意事項:一般公開日以外は自由に見学できません。混雑時は入場制限が行われる場合があります。
旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)
鎌倉市川喜多映画記念館の敷地内にある、江戸時代後期の民家を移築した歴史的建造物。
哲学者・和辻哲郎が暮らした建物を、川喜多長政・かしこ夫妻が鎌倉に移築し、海外の映画監督や俳優たちを迎える場所として使用していました。
太い梁や柱、土間など、昔ながらの日本家屋の趣を感じられます。
2026年秋の一般公開
公開日:10月10日(土)・11日(日)
公開時間:10:00~16:00
入場料:無料
所在地:鎌倉市雪ノ下2丁目(鎌倉市川喜多映画記念館敷地内)
注意事項:荒天時は公開が中止となる場合があります。
2026年秋の特別公開
開催日:10月31日(土)、11月1日(日)、3日(火・祝)
開催時間:10:00~16:00(11月3日は15:00終了)
入場料:特別展観覧料(一般500円、小・中学生250円。免除対象あり)
内容:「陰翳の中で金繕いを再発見する。」を開催。通常の一般公開とは異なり、靴を脱いで建物内部を見学できます。
※公開日・公開内容は変更される場合があります。訪問前に各施設の公式情報をご確認ください。

ストレッチウールオーバーシャツBlack
レザーショルダーバッグ